立場上、他の先生方のカルテ記載を聞くことがある。療養担当規則からすれば隙だらけの先生もいる。多くの先生方はきちんとしておられる。しかし時にとんでもない先生がいる。保険算定しているのに検査がなかったり、レントゲンが整理されなかったり。言い訳の多くは、前の診療所ではこのようにしていたのでとか、レセコンの指示通りにしてましたとか、大学ではこれで通ってましたとか、ひどい先生になるとカルテがメモ書きの人もいるそうだ。技官と呼ばれる人たちは青本を熟読している。いま大学教授になっている友人は技官時代毎日青本を読まされて、今は目にしたくないと私にぼやいた。そんな人が個別指導になればあなたの前に現れる。10年以上前になるが、ある大学で1億以上と聞いているが返戻があったという。別に大学が不正をしたわけでなく、何かが療養担当規則に引っかかったらしい。東京からわざわざきた技官は対応した大学関係者の前に青本をおき、関係するページを1度も間違わず一瞬でめくっていったそうだ。そのすごさに大学関係者はおののいたらしいが、その後どうなったかは知らない。そんな恐ろしい技官が目の前に現れないようにするには療養担当規則を守って歯科診療をするしかないのでは。ただ東京など物価の高い先生には同情することもある。保険点数は全国一律だからである。人件費や家賃が高い東京などで、医科の差額ベット代などないところでは経営のために、自費治療を何等か絡めないと経営は苦しいのではないだろうか。東京のチェアー代別途必要と思うのは私だけだろうか。