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床矯正装置やトレーナーに思うこと

 以前床矯正装置について患者様から問い合わせが相次いだ事がある。近隣の歯科医院が突然閉院してそこで床矯正を受けていたらしい。最初なんの事かわからず床(しょうてなんや)と戸惑い、あっときずいた。あー床矯正か。子供さんの歯列矯正に床矯正というのがある。私自身はほとんど経験がない。勤務医時代に簡単な前歯の傾斜移動や、タングクリブという舌の突き出し防止に使用した。まず床矯正は簡単そうに見えるが患者が着脱しその移動方法も限られるので実は難しい。昔DVDで床矯正を実に簡単に歯科医院で導入できますよ、40万円ぐらい患者に請求できますよというような胡散臭い講習会風景を見たことがある。講師は実はフルブラケットの経験が多数あり、床矯正で治らないものはいつでも自身でフォローできるのだ。トレーナーは私のところで使用はするが、私はフルブラケットの経験は多くあり、また患者にはこれだけでうまくいかないこともよくあるのでその時は専門医に紹介するといつも説明している。トレーナーの講習会でも後戻りしないとか、すべての歯列矯正に対応しているように講習しているが講師は皆かなりのレベルの歯科矯正医であることを知っておかなければならない。歯列矯正が数回の講習でできはずはなく、その講習があなた(歯科医師)からのお金儲けの道具でないかどうか見分ける嗅覚が必要である。阪大矯正臨床研究会でトレーナーの質問をしたことがあるが、ほとんど興味を示してもらわなかった。歯列矯正のプロからすればそうかもしれない。