私の両親は昭和1桁生まれなので小学生時代に戦争体験をしている。父は岡山の山中で母は鹿児島の軍港で育ったので戦争に対する感覚が違った。母は時に戦争の話を私にしたので記録の意味で時々書こうと思う。遠くの空に見えた敵の戦闘機があっという間に目前に見えて、パイロットの顔まで見えたらしいが、人めがけて機銃を撃ってくる。人ではなく的でしかない人間の死んでいくのを何回も目撃している。兵士と民間人の区別なんかあるわけない。戦後私が小学生ぐらいまで飛行機の音がすると母は無意識にビルの陰に隠れた。その軍港には対空砲なるものがあったらしいが敵の戦闘機は絶対その砲撃が当たらないところからやってきたという。またその機銃射撃後、子供たちは鉄を集めに薬きょうや時には連なって落ちている銃弾を集め、大人たちがそれを溶かして鍋など作っていたらしい。